中国語を習うきっかけ

 中国語講師をして、まる10年になります。この短くなく長くもない10年の間、日本人の中国語を習うきっかけはだいぶ変わってきたように思います。

 10年前までは、中国の文化や歴史が好き、中国に好感を持っている、趣味で習いに来られる方が多かったです。最近どちらかというと、仕事で必要だから、将来のために中国語をやっておいたほうがいいと考えて、来られる方が増えてきています。

 中にも日本語講師を目指している女性の存在がひときわ目立つような気がします。

 こんなことを話すと、よくびっくりされますが、中国では、日本語を習う人口は英語についで2番めに多いです。また、英語以外の他の言語に比べると、日本語を勉強する人の数は圧倒的に多いことも実情です。中国における日本語学習の市場は非常に大きいといえるでしょう。

 近年、ベトナムやタイでは、日本語学習ブームが起こっています。中国を含む東南アジアでは、日本語を教える職業の人気がじわじわと上がっています。ベトナム、タイ、シンガポール、マレーシアなどでは、華僑たちが多く暮らすため、中国語を使う割合は私たちの思う以上に高いかもしれません。

 中国語を話す人々に日本語を教えるなら、中国語は少しできたほうがいいというのはよく分かります。私自身が昔、勉強していた日本語学校でも、先生たちは、ほぼみんな中国語はある程度できていたように思います。授業中は、もちろん日本語しか話してくれませんが。

 日本人、特に女性として、長くできる職業ってなんだろうと人生設計を描く時、日本語の先生ならと思う人が結構多いかもしれません。女性も男性と同じ、職業を持って、自立して、自分の意志で人生を歩んでいくと考える日本の女性たち、時代とともに、これからも増え続けるでしょう。同じ女性として、応援したいと思います。