中国のウェディング撮影

 ここにある写真は何の写真だと思いますか?

 モデルさんによる雑誌の撮影ではありません。合同結婚式でもないのです。実は、結婚するカップルが自分たちの思い出作りのため、プライベートのウェディング撮影をしているところなんです。

 このようなウェディング撮影の始まりを遡ってみると、1980年代~90年代、台湾や香港のウェディングドレスのレンタル業者が、ビジネス拡張の一環として始め、その影響で大陸のほうには、1993年頃に最初の専門スタジオが誕生したと言われています。その後、大陸のほうでこのプライベートウェディング撮影が大流行し、町並みが美しい観光地に、沢山のスタジオが次々とオープンしていったのです。

 ドイツ風の町並みと美しい海で人気な観光地青島には、内モンゴルや新疆など中国各地から若いカップルたちが撮影のためにやってきます。業者の話によると、毎年特に夏から秋にかけて、一日1万組以上の撮影に追われることあるそうです。

 着替える衣装の数や写真のカット数によって、値段は人民元3000元(1万円約600元←かなりabout)前後のものから数十万元もするものもあります。

 中国人の家に行くと、たいてい目立つ場所にウェディング撮影の写真が飾られています。びっくりするほどのサイズのものも珍しくありません。この写真は、若いカップルたちの未来への夢を語っているようでもありますし、その人たちの社会的地位や経済力の象徴ともなっているのです
 
 中国では、2012年に結婚届を出しているカップルの数は1323.6組で、ウェディング撮影費用は一組3000元だとすると、実に業界売上は400億元近くにもなるという計算です。これからも中国の富裕層や中間層が増えることを考えると、この業界は衰え知らずかもしれません。