「学而第一」②
有子曰:“其为人也,孝弟而好犯上者,鲜矣;不好犯上而好作乱者,未之有也。君子务本,本立而道生。孝弟也者,其为仁之本与!”
孔子の学生有子という人はこんなことを話していました。
親や兄弟を敬愛するのに目上に逆らおうとする人は珍しい;目上に逆らおうとしないのに反乱を起こそうとする人はいない。君子は本分を尽くす、本分が尽くされていれば正しい道が生まれる。親や兄弟への敬愛は、仁の基本ではなかろうかと。
『孝は百行の本』といって孝は儒家思想の中で大変重要な部分になっています。全文を読むと政治利用されやすいと思う節はありますが、やはり人は親や兄弟を大切に思うのが当然のことでしょう。最も共鳴するのは、『君子は本分を尽くす、本分が尽くされていれば正しい道が生まれる。』というところです。
『本分』というのは人によって多少認識が違うでしょうが、人としての基本または原点って何か、人としてしていいこととしては行けないことって何だろうか、善悪や道理をわきまえて生きることが『本分』を尽くすというのではないでしょうか?
稲盛和夫さんの著書でいったん成功を収めたが私利私欲が抑えられず歪んだ道に進み結局失敗してしまう一部の経営者のことを言及しているのを読んだことがあります。本分を尽くしていれば正しい道が生まれるのになぁ・・・と思わないでいられないのです。
君子は本分を尽くす、本分が尽くされていれば正しい道が生まれる。仕事にも人間関係にも、時代を超えて、この句は私たちに生きるヒントを与えてくれている気がします。